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 地域猫資料室/新聞記事全文

ピアスの猫 街に安住
国立の主婦ら 資金集めて保護

[ 2000/6/13 朝日新聞 ]


■捨て猫後絶たず…「飼い主は自覚を」

 耳に、赤や黄のカラフルなピアスをつけた野良猫が最近、国立の街をかっ歩している。「地域猫」と呼ばれ、ピアスは不妊、去勢手術を受けたしるし。市内の主婦らが資金を出し合って野良猫に手術をし、みんなで面倒を見ようという取り組みだ。飼い主に見捨てられて「処分」される猫は、都内で年間約一万二千匹以上にも上る「飼い主としてもっと自覚を持って」。活動を続ける主婦らは、地域猫を通じてそう訴えている。

(壷谷 英紀)

 取り組んでいるのは、国立市内の主婦らで組織する「猫のじむしょ」(真名子英子代表、会員三十人)。二年前に結成し、ガレージセールなどで不妊、去勢手術の資金わ集め、これまで市内の野良猫約百匹に手術を受けさせてきた。

 ピアスは、不妊手術をうけたかどうかを区別するため、手術の際に獣医に依頼して、耳につけてもらう。直径約五ミリ。ビーズ球のような形をしている。

 この取り組みは、ほかの団体がやっているのを見て始めた。「手軽に見分けられ、かわいいでしょ」と会員の後藤由美子さん(四一)は言う。

 「十兵衛」。そう名付けられた片目の猫が、具合悪そうに民家の駐車場にうずくまっていたのは昨年十月。ある会員が見つけ、獣医に見せた。すると、口と首に輪ゴムがかけられ、口は両端が約一センチずつ割け、首に腐った輪ゴムがめり込んでいた。

 五ヶ月の入院の末、この会員が自宅で引き取った。しかし、今も抱き上げようとすると警戒するという。心ない人間のいたずらに今もおびえている。

 十兵衛などの野良猫がひどい目に遭うのは、飼い主が猫の避妊手術をせず、生まれてきた子猫を安易に捨てる例が後を絶たないのが原因と言われる。

 一九九八年度に、飼いきれなかったり、軒先に捨てられたりして、都動物保護相談センターに持ち込まれた猫は一万二千四百十一匹に上る。このうち、引き取られた猫は百五匹で、残りはガス室に送られた。

 野良猫として生き残ったとしても、えさを求めてごみをあさったり、ふんをまき散らしたりして、住民の反感を買う例が少なくない。

 一方、そんな猫をふびんに思ってこっそりえさをあげる人も、ふんの始末や食い散らかしたえさの片づけまではしない例が多いという。

 「猫のじむしょ」では、(1)飼い主に猫を正しく飼ってもらうための勉強会を開く (2)これ以上野良猫を増やさないために、避妊手術を受けさせる (3)猫がごみをあさったりふんをまき散らさないよう、えさ場を決めてふんの処理をする−−などの活動を続けてきた。

 真名子代表は「虐待されている野良猫があまりにも多い。街で必死に生きようとしている猫たちを不要で汚いものとして扱う。尊い命を粗末に扱う風潮がまん延している」と話す。

 「猫のじむしょ」では一緒に活動する会員や資金を援助する賛助会員を募集してる。

 問い合わせは真名子代表にファクス(042・574・8315)で。




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