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 地域猫資料室/新聞記事全文

 野良猫減らせ 住民スクラム/餌与え、不妊手術で「共存」
東京都のモデル地区 30匹から自然に半減

[ 2004/2/14 岐阜新聞 ]


 住民が近所にすみつく野良猫に餌をやり、不妊、去勢手術をする「地域猫運動」が広がっている。”処分”しなくても繁殖しなければ寿命が4、5年の野良猫は自然に減るという共存の考えだ。ふん尿のにおいや繁殖期の鳴き声に悩む住民だけでなく、野良猫にとっても、最良の対策として注目されている。

 東京都狛江市の住宅街。丸山なおみさん(52)がキャットフードや残り物の魚を手に自宅前に出ると、青い首輪をつけた猫たちが待ちかねたように鈴を鳴らしながら走り寄ってくる。首輪は「手術済み」の目印だ。

 ここは都が野良猫減らしの切り札として始めた「飼い主のいない猫との共生モデルプラン」の地区に昨年十月、指定された。丸山さんら四、五人の「餌やり担当」が、決められた場所で計二十五匹の猫の世話をする。

 都内には推定十一万匹の野良猫がおり、苦情は増える一方だ。野犬は狂犬病予防法などに基づいて捕獲されてきたため都心部から消えたが、猫は捕獲の法的根拠が無い。天敵の野犬がいなくなったうえ、一年に最高四回子供を産む繁殖力のせいで増え続けた。

 モデル地区になると、都の動物保護相談センターが約十匹を無料で手術する。その他の猫の手術は住民らが金を出し合って行う。同市で活動をする野木ナオ子さん(38)は「餌をやりっぱなしでは増えるだけで解決にならないが、手術すれば大丈夫」と言う。

 立川市の狩森玲子さん(66)が世話をする猫は、モデル地区に指定される前には三十匹だったが、きちんと手術をするうち十数匹まで減った。「悪いのは猫を捨てる人。やるからには、最後まで面倒を見ます」と話し、毎日午後五時に餌と水を持って出掛ける。

 活動には住民も協力も欠かせない。野木さんらは、町会の役員に地域猫について説明し、約五百世帯にチラシを配布したところ、町会が、手術費集めのためのバザーに出す品物を集めてくれるようになった。野木さんは「何度も話し合ったおかげで、住民同士のコミュニケーションも良くなりました」と、思わぬ効果に喜ぶ。

 野良猫問題の対策を指南するNPO「ねこだすけ」代表の工藤久美子さんも「地元の理解と協力がないと成功しない」と強調する。「『猫を何とかしろ』と苦情を言うのではなく、自分の町で起きている問題について、住民自らができることを考えてもらうのが活動のスタートです」




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