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野良猫を地域で世話 東京「ちよだニャンとなる会」

[ 2003/7/28 読売新聞 ]


◆不妊手術し飼い主探しも

 最近、「ペットを飼う」ということを軽く考えている人が多いと思いませんか。テレビCMでおなじみになった犬が人気を集める一方で、「飼うのが面倒になった」と、捨てたり保健所などに相談したりする人もいるそうです。そんな中で、“ホームレス”になった猫を地域の人たちで飼っている所もあります。私たちは、そのような「地域猫」の様子を、東京の都心、千代田区で取材しました。(小6・林すみれ、中1・平岡涼子、高1・本庄優理香、松本真実記者)

 千代田区内神田は、町工場や事務所など小さなビルが多い所です。「こっちの猫はクロ、向こうがチビだよ」。ビルの外階段の下で、二匹の猫と猫じゃらしで遊んでいた千代田小六年の佐藤瑞樹(みずき)さんたちが教えてくれました。そこへ近くの路地で飼われている白い毛のユキもやって来ました。「家では飼えないから、毎日のようにここに来て、遊んだり、ブラシをかけてあげたりしている」と佐藤さん。ふだん面倒をみているのは、デザイン会社を経営する元田泰三、美紀さん夫妻で、えさやりから食べ散らかしの始末、ふんの掃除まで責任を持って行っています。

 同区には、「ちよだニャンとなる会」というボランティアグループがあり、元田さん夫妻も会員です。会の活動は、飼い主のいない猫を、区役所からの補助金などで不妊(ふにん)・去勢(きょせい)手術をし、地域の人たちで飼うためのルールを作ったり、新しい飼い主を探したりすることです。会では三年前から活動を始め、千匹以上いるといわれる区内の野良猫のうち、これまでに六百五十匹の不妊・去勢手術をしました。

 会の広報担当の香取章子さんは「私たちの活動は、猫が嫌いだという人にとっても、猫が好きで、かわいそうな猫を放っておけないという人にも意義のあることだと思っています。これ以上不幸な猫を増やさないためにも、飼うなら、きちんと不妊・去勢手術をして、死ぬまで愛情と責任をもって面倒を見てほしい」と話しています。会の活動もあってか、区役所への苦情は以前の五分の一に減ったそうです。

 「ちよだニャンとなる会」のような「地域猫」の取り組みは、西東京市や横浜市磯子区内などにも見られるそうです。千代田保健所によると、都内では、飼い猫に不妊・去勢手術の費用の一部を補助している区もあります。飼い主のいない猫に補助が出ているのは、千代田区、文京区だけです。

 犬を飼う場合、東京都などでは条例で、放し飼いが禁じられていますが、猫については法律、条例がありません。猫を放し飼いにする人もおり、中には不妊・去勢手術をしない人もいて、トラブルの元になっています。

 世田谷区にある東京都動物愛護相談センターでは、引っ越しなどでどうしても飼うことができなくなった犬や猫の引き取り、飼い主から離れた犬の保護収容をしていますが、その数は年間で合計約一万五千頭(匹)にも上ります。この中で最も多いのが猫で約一万一千匹。元の飼い主が現れず、新しい飼い主にも引き取られなかったペット約一万二千頭(匹)は致死(ちし)処分にされます。センターでは動物教室などを開いているほか、ペットのしつけ方や健康管理などの相談を受け付けています。

◆ペットは「モノ」でない??取材を終えて

 都の動物愛護相談センターで、おりに入った、飼い主を待つ犬たちを見ました。私たちにしっぽを振っています。様々な事情でセンターに収容されたのでしょう。その犬たちは「自分の都合で飼ったりやめたりしないで」と訴えているようでした。ペットは飼い主を選べません。そして、私たち人間と同じように「いのち」を持った動物で、けっして「モノ」ではありません。このことを、飼う前に真剣に考えるべきだと思いました。(H・R)




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