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 地域猫資料室/新聞記事全文

大学のノラ猫 困った学外進出
地域活動の住民に難題/「対策考えよう」13日にシンポ

[ 2006/10/11 読売新聞 ]


 ふん尿やゴミあさりなどの”環境破壊”を食い止めようと、住民が協力して野良猫を管理する「地域猫」の取り組みが広まる中、東京・港区の東京海洋大学周辺で、猫の縄張りを巡る新たな問題が持ち上がった。開発などで居場所を追われた”未管理”の野良猫がキャンパスに住みつき、時折、餌を求めて学外に進出するため、地域猫活動でようやく秩序を築いた周辺住民を困らせているのだ。住民の要請で、大学と住民とが同席し、猫問題を考えるシンポジウムが13日に開かれることになった。

 地域猫活動は、10年ほど前から首都圏などで増え始めた。住民が協力、特定の場所で餌を与えたり、「ふん尿パトロール」をしたりし、繁殖を防ぐため不妊去勢手術も行って、猫を一代限りで飼育する試みだ。手術費を助成する自治体も増えており、野良猫が減る効果も確認されている。

 港区の港南3、4丁目地区では、5年ほど前から野良猫の排せつ物や鳴き声が問題になった。そこで、猫好きの住民約10人が協力して不妊去勢手術を行い、時間と場所を決めて餌を与えた結果、約40匹で増加を食い止めたという。

 隣の大学キャンパスで、野良猫が増え始めたのは2、3年前。「周辺でマンション建設が相次いだため、すみかを追われ、餌をもらえる大学に居着いたのではないか」と大学職員は推測する。

 そんな猫たちが、長期休暇でキャンパスが閑散となる夏や冬、餌を求めて学外をうろついた。「鳴き声がうるさい。地域猫活動が機能していないじゃないか」。猫嫌いの住民から、地域猫を世話する住民に苦情が寄せられた。

 そこで昨年春、住民らが猫増加への対策を大学に要求。話し合いで大学側も理解を示し、今年度に入って学内の猫の調査を実施。不妊去勢手術に取り組むことも約束した。

 今月行った最新の調査では、植え込みなどに約25匹の猫が確認された。学生や職員らが餌を与えたことで繁殖が進んだらしい。

 NPO法人「ねこだすけ」(新宿区)の工藤久美子代表理事(51)は「地域猫制度は猫好きの人と猫嫌いの人、野良猫が共存する手段。ルールをしっかり定めることが重要」とし、港区のケースについても「大学と住民とで、10年ぐらいの長期的取り組みが必要」と指摘する。

 13日のシンポジウムは午後0時15分から、同大講義棟で。学生と住民らがパネルディスカッションを行い、工藤さんも講演する。




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