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「地域猫」で行政と組む

[ 2005/10/29 朝日新聞 ]


■工藤久美子さん NPO法人ねこだすけ代表理事

 行政と組んで「地域猫」という仕組みを広めている。

 飼い主のいない野良猫に不妊・去勢手術をし、「地域猫」として寿命をまっとうさせる仕組みだ。耳にピアスなど目印をつけ、住民が場所を決めて餌をやり、トイレも管理する。猫の命を守りながら次第に数を減らしていく

 93年、夫と移り住んだ東京都新宿区で野良猫に餌をやる独り暮らしの老女に出会った。餌代は重荷でも「猫がいるからやめられない」という。猫のふんや尿、鳴き声などに悩まされる住民からは目の敵にされていた。

 「弱者に捨て猫の世話をさせ、文句だけ言うのはおかしい」と腹が立った。昔飼っていた猫の手術を思い出し、野良猫を捕まえて自費で不妊手術を受けさせた。猫はメス1匹が年10匹以上産む。繁殖を抑えるしかないと考えた。

 それから自費の手術は別の地域を含めて約70匹。メスで1匹2〜3万円する手術費のために車も売った。仲間を増やそうと、NPO法人(特定非営利活動法人)「ねこだすけ」をつくった。

 「捨てる飼い主が悪いといって、放っておけば地域の環境も人間関係も悪くなる。地域猫と共生することを住民が合意できればいい。行政が間に入れば合意しやすくなる」

 東京都が01年度から都道府県で初めて取り組んだ「地域猫」対策に協力した。会員がボランティアで町内会の会合に出るなど、市区の担当者と一緒に合意を後押し。手術は都の獣医師が一部を実施、あとは住民の寄付で賄う。

 いま「地域猫」は都内20カ所以上。猫嫌いも猫好きも地域を考えるようになった。

(編集委員・辻陽明)




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