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 地域猫資料室/新聞記事全文

人の輪広げる「地域ネコ」
都の共生モデル地域第1号 えさや不妊手術など世話
思わぬ街づくりに

[ 2001/6/7 毎日新聞 ]


■新宿の住宅街

 新宿区内の閑静な住宅街で、帰る家がないのらネコ問題に住民が地域ぐるみで取り組んでいるのらネコたちを「地域ネコ」=写真=と呼び、人とネコが共生できる街づくりを目指して、エサやりや掃除、去勢・不妊手術などをしている。今年4月からは、都が同地域を住民と地域ネコの共生プランのモデル地域第一号に指定、活動の支援を始めた。

 飼い主に捨てられたネコは、空き地などに住み着いて、ふんや尿の悪臭を放ち、ごみ袋をあさるなど、地域住民の悩みの種となることがある。

 モデル地域に指定された住宅街では、いつの間にか空き地に現れたメスネコ3匹に、道行く人たちがパンをあげているうちに、ネコが住み着いてしまった。その後、カラスがやってきたり、ふんが落ちていたりと不衛生な状態に。だが、ある日突然、3匹は姿を消した。そして昨年3月、子ネコと一緒に戻ってきた。3匹とも子供を産み計8匹の子ネコがいた。

 「これは大変」。それまでネコたちを見守っていた近所の女性3人が、地域ののらネコ対策活動をしているNPO「ねこだすけ」の会員、飯塚早苗さん(42)に相談。不妊手術を行うため、まず1匹目3人が手術費用を出した。そして残り2匹の費用集めにチラシで周辺住民に呼び掛け、募金箱を設置。住民はたばこの釣り銭や「奮発して1000円」と手術費用を入れてくれた。

 無事、親ネコ2匹と子ネコの手術を終え、この一件で住民の地域ネコに対する関心が高まったという。「子ネコを介して人の輪が広がった」と飯塚さん。思わぬ街づくりにつながった。

 都と区は、地域住民の活動に対し、チラシの作成のほか、ボランティアの募金による手術費用が足りない場合、1カ所10匹ほどであれば都動物保護センターで手術するなどの形で協力していく。

 去勢や不妊手術をした後のネコは地域に戻し、住民が協力して世話をするが、野外で暮らすネコの寿命は4〜5年。飼いネコを室内で最後までみ取ることを徹底すれば、確実に地域ネコはいなくなる。モデル地域の場所は、公開すると捨てネコが増える恐れがあるため明らかにできないといい、地域ネコ問題は「もとをたどれば、無責任な飼い主のモラルの問題に行きつく」と、「ねこだすけ」の代表の工藤久美子さんは話している。

【宮本扶末子】




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